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オリエント楽器 社長ブログ

JASRACと絶賛係争中!

皆さんも比較的興味を持っているJASRAC音楽教室の裁判。コロナウイルス関連のニュースに隠れて、東京地裁では敗訴してしまいました(即、控訴!)。

何を隠そう私はコロナの裏でもう一つショックを受けていたのです(苦笑)。

私はネコとウサギの毛アレルギーの他に、この封筒にもアレルギー反応があると自覚しているので無理もありません。

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弊社は『音楽教育を守る会』に所属しており、JASRACとの裁判において原告団となっています。守る会にはオリエント楽器の他に、ヤマハ、カワイ、ローランドなど国内有数の楽器メーカーも名を連ねています笑。心強い。

楽器店を運営する上で、著作権については知っていなければと思い本を読んだりしましたが、難しい言葉も多くて理解し辛い。そもそも、もっとシンプルに誰もがわかりやすいものにして欲しいですよね。(恨み節も入ってますかね)

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今回の裁判は『音楽教室でのレッスン演奏に著作権使用料を支払う義務がないことの確認を求めた裁判』であり、争点を簡単に説明すると、

1音楽教室のレッスンで生徒さんを公衆とみなすかどうか。

2音楽を聴かせるための演奏をしているかどうか。

以下は、比較的分かりやすい記事だと思いますので、興味のある方は読んでみてください。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200304-00000032-zdn_n-sci&p=2

JASRACは今までの裁判で負けたことはなく、カルチャー教室、ダンス、カラオケと明らかに外堀を埋めて、音楽教育の分野にまでその食指を伸ばしています。

楽器店として言わせて頂くと、私達は地域の音楽普及のために仕事をしています。自治体主催の文化振興事業は税金や補助金で賄われますが、楽器店や音楽教室講師は、活動の価値をお客様に認めていただき対価を受け取って運営しています。そしてその利益は、地域で永続的に続ける音楽普及のために再び投資されることや、スタッフや講師自身がモチベーション高く仕事を続けていくために使われるます。楽器小売店で儲かっているなーっていう会社はそんなにありません(弊社のことはご想像にお任せします)。そこから経費が吸い上げられていくとなると、いずれお客様に転嫁され音楽を習うハードルが上がってしまう。そうなれば、私達が目的としている音楽普及の足を引っ張る構図になる(あくまで主観)。

私達がこのまま裁判に負けてしまったら、いずれ地域のピアノ講師さんにもその影響は及んでいきます。消費税の問題もあり、将来にわたって地域のピアノの先生も大変です。何とか地域の音楽文化を守れるように、裁判に向き合っていきたいと思います。

私達は作曲家やアーティストさんに支払われることを嫌がっている訳ではありません。明確に報酬が分配されるならまだ分かるのですが、教室で行われるレッスンでは先生が演奏しない場合もありますし、著作権切れのクラシック曲も多い。それを一律◯%ということで請求され、誰の曲を使っているかわからないものとして、JASRACが受け取り、運営費として使われるだけだとしたら、納得できない。

そもそもJASRACの封筒には『音楽文化をまもる』と書いてあるではありませんか。でも今の私には『私達(JASRAC)の生活をまもる』としか読めない。

日本は知財に関する法律が先進国として遅れていると言われています。アメリカではある程度緩く設計されており(フェアユース規定というものがあります)、YouTubeなどメディア産業が大きく成長しました。そういった企業は日本では成長しづらい環境であるということも現実です。

いずれにせよ、このまま終わるわけにはいきません。3月4日に知財高裁へ控訴。音楽好きな皆さんはどうお考えになりますか?

この裁判を始める際に、多くの生徒さんから署名を頂きましたのでこのブログで報告をさせて頂きました。引き続き、皆様の応援をよろしくお願い致します。

そして私のアレルギーとの格闘も続きます。