changing keys

オリエント楽器 社長ブログ

決着はもう少し時間がかかります

JASRAC音楽教室のレッスンからも著作権料を取ろうという裁判が始まって暫く経ちました。皆さんも、あれどうなってるの?な感じですよね?今もなお係争中です。

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「音楽教育を守る会」に所属している弊社にとって、この裁判は大きな問題です。今年3月の知財高裁では、生徒の演奏には演奏権が及ばないとする判決が下され、私たちにとってプラスの影響を与える判決となったことを報告します。そして最高裁へと続きます。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASP3L4RRRP3LUTIL01S.html

そもそもレッスン中には演奏権が発生しない(著作権料を支払わないで良い)という判決が理想ではあります。しかし、今までの判例をもとに進められており、最終的には料率の争いになることも見据えて裁判を進めていかなければなりません。※現在、裁判では講師に演奏権が存在すると考えられています。

JASRACは裁判でレッスン料の2.5%という高い料率を求めていますが、レッスン時間の中では生徒が未完成の曲を演奏する時間が殆どで、曲もクラシックなどJASRACの管理外の楽曲が多いこともあり、支払うとしてもとても小さなパーセンテージで請求されるべきです。

では一律のパーセンテージで徴収される場合、著作者にはどのように還元されるのでしょうか。その説明も必要だと思うんですよね。何より著作者に対して説明が必要でしょう。JASRACは作曲家の立場を利用して、自分たちの利益を確保することもできてしまうのですから。

また以前にも書いていますが、音楽教室事業者だけでなく、いずれ個人の音楽レッスンなど、音楽を教える人全てから、著作権料を回収することになるでしょう。となれば、教える人(地道に音楽を普及している人)は教室事業を継続するためにレッスン料を上げざるを得ない。若しくはゴルフ場利用税のような形で生徒さんに一律で請求する(負担して頂く)ことになります。

結果的に音楽を習う人全体からの徴収になるとも考えられます。国民全体の利益に関わる重大な裁判だと思うので、文化庁も国民の利益や文化を守るため、積極的に考えて貰いたいものです!文化庁長官の都倉さんはシンガーソングライターとしてどう思っているのでしょうか?(先日テレビでピアノ弾いていたので)

このままではJASRACは人口が減り続けても、徴収料を維持するために解釈を広げて裁判を続けていくことになりかねません。この裁判は、今後も見逃せません。我ながらアツいなぁ笑